フクロウハウス

沖縄県・八重山・石垣島の隠れ家的な素泊まりの民宿です
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アラスカ.マッキンリー 2

「N.Y.の東京銀行に電話をかけてくれ。この定期証書が本物だとわかる」
「・・・・・」
「オレはクライマー、夏にマッキンリーに登るので6か月の滞在期間が必要だ」
「・・・・・」
イミグレ官はオレの話など聞いちゃいない。
ただ疑いの眼差しで見ているだけ。
重い雰囲気の中、隣のイミグレ官が自分の取り調べを終えてやってきた。
「俺も昨年の夏、マッキンリーに登ったよ。話を聞こうか・・・」
背の大きなイミグレ官は、無愛想なイミグレ官に俺が取り調べるという仕草をした。
オレたちの担当が代わった。
人の良さそうなイミグレ官はオレの話を黙って聞いたあと、6か月の滞在期間をくれた。
そして「頑張れよ」といって握手まで求めてきた。
さすがのオレも出す手が鈍った。
こんな人のいいイミグレ官をだますのはつらいものがあった。
ちなみに、口から出まかせの軽い男に付き合い、イミグレ官に取り調べられた相棒はふくろうハウスの女将である。

ワンダーレイクにやってきて3日目、雲の切れ間からマッキンリーが顔をだした。
初日、2日目と雲に隠れて拝むことができなかった北米最高峰がやっと姿をあらわした。
キャンプ場から一斉に歓声があがった。
標高6194m、天上を貫くようにそびえたっていた。
なぜマッキンリー・パークにやってきた。
べつに北米最高峰が見たかったわけではない。
あの人のいいイミグレ官が登頂した山をこの眼でみたかった。
それが騙されてくれたあの人への義理だろう。
口から出まかせの男が本気になっても、嘘の話の中でも、この雄大な山を登ることはできない。
あのイミグレ官はカッコよかったね。
オレの嘘を本当は見抜いていたんだろう。
ワンダーレイクにきてわかった。
マッキンリーのフレーズはオレには高くて重すぎる・・・
ふくろうオジサンの独り言 -
2008.03.23 Sunday :: comments (0) :: trackbacks (0)

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